身長152㎝の独り言

気まぐれなオタクの覚え書きです。

周波数の合うアイドルに出会った話

私はアイドルオタクとしてかなり不器用です。
熱しやすく冷めやすくて、複数を同等の熱量を持って追うことも苦手ですし、供給がドバッと来るとキャパオーバーを起こしてフリーズします。
そして何より、私はアイドルの裏側を見ることがとても苦手でした。
 
 
 
アイドルはすごくキラキラと輝いています。
でも、その裏では途方もない努力をして、終わりのない苦しみを与えられています。
もちろんそんなの生きていれば大抵の人間がそうなのかもしれないけれど、アイドルのそれは私たちのそれとはちょっと違う。ジャニーズみたいに、若いうち(幼いうち)からアイドルの世界に飛び込んでる人たちは余計かもしれません。
本来の自分とファンに見られているアイドルの自分との間で葛藤したりするでしょう。
 
ドキュメンタリー番組等でそれを知ったとき、私はどうしようもなく苦しくなりました。初めて生身のアイドルを好きになった、今からちょうど三年前のことです。
私は彼、彼らを好きだけれど、私が彼らを好きなことで、彼らを苦しめているのだ、と思ってしまったんです。
アイドルの苦しみの要因なんだ、と思ったら、今度は、アイドルからの言葉を受け取れなくなりました。
 
「大好きだよ」「ファンのおかげで」「みんなのために」
 
そういう言葉をアイドルたちは沢山伝えてくれます。
私はその全部が信じられなくなりました。
 
 
だって、私はアイドルを苦しめる存在だから。そんな人を、存在を、大好きなわけがないし、その人のために頑張れますか?
ここまで上り詰められたのは単にあなたたちの努力の成果であって、私は何も関係ないでしょう?
 
そんなことが常に頭のどこかにあるのです。
アイドルを見ることが苦しくなりました。
キラキラと輝くアイドルを見ていると、その裏にある苦労を透けて見るように、むしろそればかりに目が行くようになってしまいました。キラキラを輝きとして受け取れなくなってしまいました。
「好きだ」と言うこともできなくなりました。……言ったら余計に苦しめてしまうと思ったから。
 
そしたら、もう、私はそのアイドルのことが好きなのかどうか分からなくなってしまいました。
好きは好きなんだけれど、……好きだと思うんだけど。でも、好きとは言えない、見ていると苦しい。
 
 
そのときの経験は、トラウマのように残りました。
次に好きになったグループもアイドルだけれど、私は「アイドル」として好きになることはできませんでした。彼らがアイドルだと言うこともわかっているし、「アイドル」を大切にしていることもわかっているけれど、私にとって彼らが「アイドル」なのかと聞かれたら、どうしてもYESとはいえません。
 
 
 
でも、私はTravisJapanに出会って、初めてアイドルを「アイドル」としてちゃんと好きになりました。
今、「あなたの好きなアイドルはいますか?」と聞かれたら、「はい。TravisJapanが好きです」と答えます。
アイドルを応援するにあたって利用するのを怖がっていたネット(ーートラウマの原因の一つだったので…)、twitterも始めてみました。今では番組や供給に合わせてキャッキャとするのを楽しんでいます。
 
 
正直、最初にTravisJapanを好きになったあとは、「今回も“アイドル“としては捉えられないんだろうな…」と思っていました。
トラジャを好きになって割とすぐに、仲間たちのデビューにあたっての茨を知って、その時にまた私はダメになるかと思いました。
今回も、彼らにまっすぐ向き合うことはできないんだろうな、と。
 
でも、ならなかった。目を逸らしたくならなかったし、自分の気持ちが分からなくもなりませんでした。
現在まで、ファンとして迷走することなく「好き」でいることができています。
 
なんでだろう?
明確な理由はわかりません。
もしかしたら、ジュニアの特性としてファンの応援の存在が大きいということを感じやすかった、ということも影響しているかもしれません。「好き」を発信することがプラスの影響をもたらす、ということが見えやすいために信じやすかったのかもしれません。
それは少なからずあると思います。
 
でも、きっとそれだけではないと思います。
 
 
TravisJapanはとてもあたたかです。いつも、あたたかなものを届けてくれます。
対して、それを受け取る私はアイドルオタクとしてとても捻くれていました。不器用で下手っぴで、どうしようもない天邪鬼でした。
その、捻じ曲がった私の周波数と、トラジャのあたたかな周波数が、なぜかピッタリと合いました。
 
トラジャちゃんの言葉は、私の胸にすんなりと、雑音なく届きました。
まだ好きになってから1ヶ月ほどの頃、如恵留くんの定期ブログ(のえまる)をベッドの中で読んで、一人泣いたのを覚えています。
こんなことは初めてでした。
好きなアイドルの言葉を受け取って、それに心を深く動かされるなんて。アイドルの言葉を信じられなかった今までの私だったら、ありえなかったことでした。
でも、のえまるに毎日のように綴られる言葉の白さに触れて、だんだん「素直に受け取ってもいいのかな……?」と思えるようになったんです。
如恵留くんの、トラジャちゃんの声は、それくらいまっすぐに、淀みなく届きました。
 
 
偶然だろうと思います。パフォーマンスに惹かれて好きになったグループと、たまたま、「アイドルとファンのコミュニケーション」の周波数が合致した。
 
そうして、私は初めて「アイドルが好きだ」と思えました。
アイドルオタクとしてへなちょこで打たれ弱かった私が、一歩成長するための日々をくれました。今もくれています。
 
きっと、私がこれまで好きになってきたアイドルグループも、また出会わなかったアイドルも、きっと、他の誰かにとっては心に響く言葉を届けてくれる存在なんだろうと思います。
だから、TravisJapanが特別だということではないのでしょう。ただ、私にとってその存在がTravisJapanだった、というだけで。
 
 
だからこそ言いたい。
私はTravisJapanが「アイドル」として大好きです。たぶん、TravisJapanがアイドルでなくなったって好きでいるとは思うけど、でも、TravisJapanがアイドルである限り、私は「アイドルTravisJapan」が大好きです。
あなたたちに出会えて本当によかった。
 
 
如恵留くんが三年前に作った曲の中で「僕らを見つけてくれて本当にありがとう」と歌っていますね。
最初に聞いた時は「ふーん」くらいに思っていたこの詞。
今なら、心に沁みて意味がわかります。
 
今度は私から、そっくりそのまま、同じ思いを返させてください。
「あなたたちを見つけさせてくれてありがとう」
 
 
自信をもって。
 
大好きだよ!
 
 
2021.10.13.