身長152㎝の独り言

気まぐれなオタクの覚え書きです。

懺悔と救済

そんなに物々しいタイトルを付けるような話ではないんだけれど、私はアイドルのライブに行くことを「怖い」と思ってるタイプのオタクです。
きっかけはわかりませんし、友達にこの話をした時も「よくわからない」という顔をされました。
 
でも、私はいつもアイドルを雑誌や、テレビや、動画サイト、ブログ、CD、DVD、などなど、何かしらの媒体を通して見ています。その対象は確かに一人の生きている人間を写したものだけれど、生身の人間を見ているわけではありません。
そうやって、いつも肖像で見ていたものが、ある日突然目の前に現れる。何もメディアを通さずに、本物が直接自分の目に映る。
その瞬間が、どうしようもなく怖い。
 
元々2次元のアイドルからオタクになったこともきっかけの一つなのかもしれません。
もしくは、自分がアイドル側の目に映るのが怖いのかもしれない。普段は私が一方的に見ているだけなのに、集団の一部とはいえアイドルに見られる、その自信がないのかもしれません。
 
 
 
そんな理由から、私は今までアイドルのライブというものに応募すらしたことがありませんでした。
単純に人の多い所が苦手、という理由もあるけれど、やっぱりその無性な恐怖心が一番の理由でした。
 
そういう人なので、私は「アイドルに会いたい」という感覚が当然のように無く、よって「ライブに行きたい」という欲もありませんでした。
ライブが終われば、その様子を納めたDVDが発売されるのだから、それを購入してお家で見れば十分、というのが私の感覚です。
同じものを好きな人たちが集まって「live」を共有することは楽しそうだとは思うけれど、それ以上に恐怖や不安がありました。
 
でもきっと私のこの感覚は少数派です。
アイドルファンの方も、そして何よりアイドル本人も、「ライブで アイドルに/ファンに 会いたい」と言います。
これが私はずっと理解できなくて。
 
 
 
しかし、2020年。コロナ禍で人が大勢集まることが難しい状況になって、「オンラインライブ」というシステムが広まりました。
通常のライブだと躊躇してしまう私も、「これなら」とありがたく視聴してきました。
 
とっても楽しかったです。
 
収録配信も、生配信も、「今一緒に楽しんでるんだ〜〜!」という感じがしてとてもワクワクしました。
ブログで「お稽古頑張ってるよ!」「いよいよだね!」と声をかけてくれたり、SNSや動画サイトで準備中の様子を見せてくれたり。
そして迎える「オンラインライブ」の開始時刻。
ハッシュタグで盛り上がったりしながら、“今”まさに「live」を楽しんでいるんだ、という臨場感がお家でDVDを見るときにはないもので、新鮮でとても楽しかったです。
 
そう、楽しかったんです。2020年。
オンラインライブという制度、私にとっては最高でした。
 
 
でも、アイドル本人にとってはそうじゃない。
誰もいない客席。返ってこない声援。熱気もペンライトもない。
「早くお客さんの前でライブがやりたい」
応援しているアイドルたちが、口を揃えてそう言いました。
 
それが、私は心苦しかったんです。
オンラインライブは私にとってはとても楽しくてありがたくて、これからも続いてほしい、と思っているけれど、開催する側のアイドルにとってはそうではないんだな、と思って。きっとオンラインライブは本来の完全形ではないのだろうと思いました。
 
全力で魂を込めてパフォーマンスをしてくれたアイドルに、私が感じている興奮も、画面の前から送っている拍手も、届けることができない。
それがもどかしくて、「ああきっと有観客でライブをやりたい理由はこれなんだ」と感じました。
 
そう思いながらも、やっぱり私にとってはオンラインライブがとても快適な環境でした。以前のように有観客で開催されるようになってからも、この制度が続いてほしいと思いました。
でも私のこの願望は多くのアイドルやファンにとっては望まれないことだとわかっているから、そのズレが、申し訳なくも感じていました。
 
 
 
でもね、その「オンラインライブ」で、とっても嬉しいことがあったんです。
 
2021/7/16 TravisJapanの賛成コン生配信を視聴しているときでした。
MCコーナーで、リーダーの宮近海斗くん(ちゃかちゃん)が、「配信で見てる人だけにしか分からないことをやろう!」と言ってくれたんです。
内容は、画面の下からメンバーが順にぴょこん!と飛び出してくる、というめちゃくちゃ可愛いものだったんですが、あと、その時にちょっとした手違いでめちゃくちゃに可愛い推しが見れたんですが、まぁその事はとりあえず置いといて。
 
ちゃかちゃんがそう言ってくれたことが、私はとっても嬉しかった。
救われたような気さえしました。
今まで「(直接会えなくて)寂しいね〜」と言うことこそあれど、「配信の人だけに」と言ってくれたことなんて無かったので。
目の前にファンの人がいるにも関わらず、その瞬間、「配信で見てる人のために」って、遠く画面の向こうにいる人のことを考えてくれたことが嬉しかったんです。
 
あぁ、配信でもいいんだ。認めてくれるんだ。
 
と、そう思えました。
有観客でのライブができることが一番望ましいのかもしれない。でも、配信での「オンラインライブ」を楽しんでも、現地に行けなくても、取り込んでくれる。置いていかないでくれる。
ちゃかちゃんの発言に果たしてこんな意図があったのかなんて分からないけれど、私にはそう感じました。
 
そんな一オタクの懺悔と救済です.